血圧が高いほうが何となく調子がいいんです。血圧が高くて何が問題なんですか?
患者さんからこんな話をよくされます。患者さんは血圧が高くてもほとんど何も症状が出てきません。これがまたまた大問題です。
血圧の薬って一旦飲み始めるとずっと飲まないといけないんでしょ?私、薬を飲むのが嫌いなんです。こんな話もよく出てきます。
じゃあまずは、どうして血圧が高くなるのでしょうか?これにはいろいろな原因が考えられています。でももっとも多い高血圧は、本態性高血圧、つまりは原因がはっきりしないというかさまざまな因子が絡み合って起こる高血圧です。これらの因子には、遺伝的な要素、食生活を含めた生活習慣、もちろん食塩の摂取量、高脂血症、糖尿病、腎臓疾患、喫煙、体重などが考えられます。これらはすべて動脈硬化につながる因子でもあります。
血圧が高いと血管にかかるストレスがさらに増加して、動脈硬化が進展しやすくなると考えられています。動脈硬化は糖尿病、腎臓疾患、脳血管疾患、心臓疾患などさまざまな病気を悪化させていくと考えられています。つまりは悪循環、症状がほとんどないだけに気づかないうちにどんどん悪循環が回り続けます。この悪循環を止めるのが高血圧治療です。
薬を飲み始めることをきっかけに自分自身の血圧に関心を持ちましょう。自宅で自分自身で血圧を測ることを習慣にしましょう。そして、血圧を上げているさまざまな因子を少しでも減らしていきましょう。そうすることで飲んでいただく薬の量も数も減っていく、もしかしたら血圧の薬は必要なくなるかも知れません。自分自身の血管を守っていく、それが死ぬまで元気に過ごせる秘訣でしょうか。
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